ずっと、生まれる日は選べないと思っていた。 だからせめて終わりの日ぐらい自分で選びたかった。 自分で終わらせたかった。 漠然と、「いつか自分で自分を殺す」と思って生きていた。 終わりだけを希望と思って、ノイズを聞き流しながら日々を過ごしていた。 そんな中で、その言葉は自分の中に入ってきた。 雑踏の中でも聞き分けられるくらい大きな音のような。 真っ暗闇の中で初めて手にした灯りのような。 とても強い音、強い光だった。 その瞬間に自分は生まれ変わったと思った。 「生まれ変わった」というより、「今、生まれた」と思った。 本当に選べないのは終わりの瞬間で、生まれる日こそ自分で選べるのだと感じた。 僕が生まれた日。 僕の心がもう一度生まれた日。 誕生日。 それは、「生きろ」って声が聴こえた日。



